歴史的な円安、相次ぐ値上げ…生活苦は「歯」の健康へどう影響するのか?
賃金や物価、株価が上昇し、経済に前向きの変化が表れているというが、国民にはその実感がない。内閣府が5月16日に発表した今年1~3月期の実質GDP(国民総生産)は前期比0.5%減、年率換算で2.0%減だった。GDPとは国内で生産されたモノとサービスの総額で、その国の経済規模のこと。その半分以上を占める個人消費はリーマン・ショック以来の4四半期連続のマイナスとなった。
足元の歴史的な円安も重なり日本の経済規模は縮小、一時期、キャベツ1個が1000円になるなど物価上昇のあおりを受けて、一般的な日本人の生活は苦しいままだ。
実際、公共料金などが一斉値上げになった4月以前にまとめられた日銀の「生活意識に関するアンケート調査」ですら、「暮らしにゆとりがなくなってきた」が49.5%と高いまま。そこで気になるのが景気と健康、とくに健康の基本である「歯」の健康だ。昔から歯の良し悪しは経済状況に関係するといわれる。実際はどうなのか?
歯科医師で「ウエダ歯科」(静岡県沼津市)の上田貴彦院長(北海道大学歯学部卒)は言う。