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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

日本の薬は大丈夫か?(1)ジェネリックの「原薬」「原料」の大半は輸入に頼っている

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 粗製品も精製品も中国への依存が強いので、外交的にこじれると、最悪は輸入がストップする事態も想定されます。少し大袈裟に言えば、日本のジェネリック業界、ひいてはわれわれの健康医療は、中国に首根っこをつかまれているわけです。

 それについては日本政府も認識しており、主なジェネリックの原薬を「特定重要物資」に指定し、また多少の対策を実施しています。たとえば国内メーカーと協力して、いくつかの原薬の国産化を探っています。しかし本当に国産化するとなれば、輸入品と比べて2倍から5倍以上もコストがかかるともいわれています。現行の薬価では到底ペイしません。

 一方、輸入原薬のなかには、粗製品を越して「粗悪品」と呼ぶべきものが多く含まれているともいわれています。

 ただしメーカーにとって、きわめて重要な情報なので、ほとんど表に出てくることはありません。もちろんメーカー側は、うまく精製加工して、国の基準の品質を保っているはずです。あまり心配し過ぎるのもよくないでしょう。

 ただ、日本だけで高品質のジェネリックを安く、しかも安定的に供給し続けるのは、ほぼ無理だということは、覚えておいてよさそうです。 =つづく

(永田宏/長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授)

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