認知症予防に骨の健康を維持する酒向メソッドが必要なのはなぜか
「最近、体が硬くなって、動きにくいの。背中が曲がってて、背が縮んじゃったの」
「腰を圧迫骨折した母が寝たきりになって、認知症になってしまって……。どうしたらいいでしょうか」
「母が膝と股関節が痛いと言って、ほとんど歩かなくなったと思ったら、トイレを失敗するようになってしまいました」
患者さんやご家族からよく寄せられる相談です。
こうしたケースでは、もちろん攻めのリハビリ治療を行って状態を改善し、運動機能と脳機能を可能な範囲で回復させます。そのために大切なポイントとして、今回は「骨」の自然経過と、その問題について考えてみましょう。骨の健康と認知症は深く関係しているのです。
50歳以上では、10歳ごとに筋肉や脳神経だけでなく、骨の状態も徐々に低下していきます。以前お話ししたように、骨量が低下する一方で異常な骨が形成され、脊椎や大きな関節が変形し始めます。さらに、軟骨も減少して疼痛が生じます。その結果、孤立が生じると、認知機能が急速に低下します。