(16)ヒトゲノムの43%を占める「動く遺伝子」と老化との関係

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 動く遺伝子であるトランスポゾンの数や割合は生物ごとに異なり、数%~80%とばらつきがある。普段は眠っているこの遺伝子は、活性化することでDNAの塩基配列を変えるため、突然変異の原因となり、生物進化を促すものと考えられている。

 トランスポゾンは特定のDNAの断片を切り出し、別の場所に再挿入することで移動する。DNAトランスポゾンとレトロトランスポゾンに大別され、前者は自身のDNA配列を切り出して別のゲノムDNA配列に挿入する、カット&ペースト式で移動する。後者は、自身の配列をRNAに一度転写してからDNAを作り、それをゲノムの別の場所に挿入するコピー&ペースト方式で移動する。ただし、多くの哺乳類はDNAトランスポゾンの機能を失っていることがわかっている。

 ヒトのレトロトランスポゾンが活性化することで環境の大きな変化に順応する一方で、DNAの損傷につながり、病気を発症するケースがあることもわかっている。現在、その数は血友病、先天性の疾患、がんなど120種類を越えると報告されている。


 では、レトロトランスポゾンは老化とどのような関りがあるのか。ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師がいう。

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