(16)ヒトゲノムの43%を占める「動く遺伝子」と老化との関係
「老化細胞は炎症性サイトカインやケモカイン、細胞外マトリックス分解酵素などを分泌するSASPによって周囲の組織に慢性炎症を誘導し、加齢性疾患を引き起こすがことがわかっています。老化細胞内の分子の動きは前期と後期とで変わり、老化初期ではレトロトランスポゾンから産生されたメッセンジャーRNAのレベルは低いため、SASPには影響を及ぼしません。しかし、老化後期になるとレトロトランスポゾンDNAが増加するため、これがインターフェロンαやインターフェロンβをコードするIFN遺伝子群の転写につながり、これらのインターフェロンタンパク質がSASPに関与します」(つづく)