正しい「鼻呼吸」と「腹式呼吸」の方法…テロメアの保護にも役立つ
鼻呼吸が苦手という人は多い。その原因のひとつは鼻が口に比べて空気の出入り口が小さく、吸い込むときに空気抵抗ができるからだ。しかし、そのおかげで肺の肺胞(肺の中で吸い込んだ酸素と体内の二酸化炭素とをガス交換する組織)をより拡張し、肺のすみずみまで酸素を行き渡らせることができる。
鼻呼吸は副鼻腔粘膜から一酸化窒素をも分泌させる。これを吸い込むことで、血管や気道が拡張して酸素を全身に運びやすくなる。さらに鼻毛や鼻粘膜により、異物や病原体を取り除き、加湿・保温した、きれいで暖かい空気を取り込める。
メリットの多い鼻呼吸をどうすれば身につけられるのか? ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。
「鼻呼吸が苦手な人は舌の位置が下がって気道を塞いでいる可能性があります。上の前歯の真ん中の2本の真裏に舌先を当て、上にすべらせるとスポットと呼ばれる膨らみがあります。そこに舌先を当て、舌の表面全体が上あごの天井部分に吸いついている状態が正しい舌の位置(スポットポジション)です。ここに舌を置くと気道が広がり、鼻呼吸がラクになります」