正しい「鼻呼吸」と「腹式呼吸」の方法…テロメアの保護にも役立つ
■「4・4・8呼吸法」は全身の細胞を活性化する
とはいえ、胸式呼吸が習い性の人がいきなり腹式呼吸を行うのは難しい。そこで根来医師は横隔膜の可動域を広げるトレーニングを提案する。
「椅子とバスタオルを用意し、あおむけになり足を椅子にかけます。このとき、バスタオルは厚さ5~10センチくらいに折り畳み、お尻の下に敷きます。その状態でゆっくり鼻呼吸をして、横隔膜が上下する感覚をつかみます。これを数回繰り返すと、脳が横隔膜の動きを記憶し、自然と横隔膜を動かす呼吸を覚えるようになります」
次に全身の細胞を活性化する2つの呼吸法にチャレンジしよう。ひとつは根来医師が自律神経測定器やホルモン測定、脳波測定などを用いて独自に開発した「4・4・8呼吸法」だ。
「私がアドバイスしている青山学院大学駅伝チーム、プロ野球選手、メジャーリーガー、オリンピック金メダリスト、経営者、政治家などで効果が実証済みの呼吸法です。やり方は簡単。背筋を伸ばして手をおへその上に当てて椅子に座ります。鼻から4秒かけて息を吸います。このとき背中まで空気を吸い込んだ感覚になるまで吸い込みます。そこで4秒間息を止め、ゆっくりお腹をへこませながら8秒間かけて鼻から息を吐き出します」
気分を落ち着かせ、ストレスを緩和し、集中力を高め、良質な睡眠を得ることができる。ストレスの多い時期に1時間から1時間半に1度行うといい、と根来医師は言う。上級者用にはさらに別の呼吸法があるという。次回、詳しく紹介する。 (つづく)