(3)ビールを「もう3缶」なのか「まだ3缶」なのか
お酒に飲まれ、たびたびやらかしてしまう人は、アルコールのコントロール障害の可能性が高い。なぜ、制御が利かなくなるのか──。その原因は、「ハングリー(H)、アングリー(A)、ロンリー(L)、タイアード(T)からなる『HALT』にある」と話すのは、数々の依存症患者と向き合ってきたライフサポートクリニックの山下悠毅院長。過去2回は「HALT」について説明してきたが、アルコールのコントロール障害に陥らないためには、「自身の“判断”と向き合うことも欠かせない」と話す。
「私たちの人生に差をもたらすものは、学歴でも見た目でも性格でもなく、判断の差です。例えば、新卒でA社とB社で迷い、A社を選択したとしましょう。そこでうまくいかなかった場合、『B社に行っていれば』と後悔する人がいる。しかし、マインドが同じなら、たとえB社に行ったとしても結果は同じだった可能性が高いです。マインドを変えるためには、自分の中にある『判断基準の源』を理解する必要がある」(山下院長=以下同)
人の判断基準は、①その時の気分②言葉の使い方③自分の中の優先順位④思い込み⑤参考情報の出どころ──の5つに依拠している。「お酒を飲みすぎてしまう」という判断の誤りも、この5つからひもとける。