(3)ビールを「もう3缶」なのか「まだ3缶」なのか

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「まず、①その時の気分ですが、これが『HALT』に該当します。空腹、怒り、孤独、退屈によって判断に狂いが生じる。孤独で退屈であれば、酒量が増えるのは想像に難しくない。そのため、その時の気分をきちんとセルフチェックすることが大切です」

 では、②言葉の使い方とは何か?

「物事に対してどういった言葉で表現しているか。スマホをいじっている人を『スマホ依存症』と呼ぶか、『一日6時間いじっている人』と呼ぶかでは大きく印象が異なります。前者で呼ばれると、『病院へ行った方がいいのか?』と悩む人もいる。しかし、後者だと違う解釈につながる。言葉の使い方ひとつで、判断の差が生まれる」

 缶ビールを3缶空けた際も、「もう3缶も」と「まだ3缶しか」では、その後、どうするかの判断が変わるため、自分を健全へと導く言葉の使い方を身につけることは大切だろう。次回は、残りの3つについて説明する。 (つづく)

▽山下悠毅(やました・ゆうき) 精神科専門医・精神保健指定医。日本外来精神医療学会理事。近著に『彼らが見ている世界がわかる 依存症の人が「変わる」 接し方

【連載】もうお酒で失敗しない

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