マッサージで血流が良くなるとがん細胞が活発化するは本当か?
志茂院長自身も「がん患者がマッサージをしたことによって血流が良くなり、がん細胞が活発化してがんが悪化する」という話をかつて、耳にしたことがあるという。ただ、血流が良くなることでがんが悪化するなら、運動もお風呂もNGとなる。
■「ナンセンス」と話すがん専門医は多い
「しかし運動に関しては、乳がん患者にヨガや運動を行ってもらいその結果をまとめた論文があり、運動している人たちの方が再発率が低くなる傾向があるという報告が上がっています。運動することで当然血流は良くなっているはずですから、マッサージで血流が良くなってがんが活発化するというのは矛盾した話になる。これは乳がんだけではなく、ほかのがんでも同じことが言えるでしょう。実際、『マッサージでがん細胞が活発化するという説はナンセンス』と話すがん専門医は多いです」(志茂院長)
臨床試験の世界では、「Aという行為をするとBという病気が良くなる」と証明ができたとしても、「AをしなかったからBが悪化した」と証明されたとは言ってはいけない。「AをしなくてBが悪化した」ということを、別の臨床試験で主要評価項目として調べなくては証明したとは言えないのだ。マッサージは「行っても絶対に大丈夫」ではなく、「多分大丈夫」という言い方になるのは、そのルールがあるからだ。