今も拡大…大分・豊後大野の地割れは大地震の予兆なのか
大分・豊後大野市の地割れが拡大し、不安の声が上がっている。地割れが見つかったのは、同市朝地町綿田地区。縦約400メートル×横約300メートルの範囲で81カ所(22日午後5時現在)に及び、地割れは棚田、道路や住宅の敷地内まで広がっている。1時間に数ミリペースで拡大し続けているというから、不気味だ。
「昨年4月の熊本地震以前は、地割れが起きたことがなかった。専門家による調査を行い、原因を解明しているところで、まだ復旧作業ができる状態に至っていません。今は2世帯4人が避難中。この地区の別の場所では地滑りが起きているので、不安の声が上がっています」(同市総務課担当者)
同地区では1964年に大雨で土砂崩れが起きている。とはいえ、今月は特に降水量は増えていない。
「それほど雨が降っていないのに地割れが進むのは不思議です。ただ、豊後大野市は、阿蘇が過去に噴火して“火砕流が厚く降り積もったところ”なので崩れやすい地質ではあります。熊本地震で被害が多かったのも、阿蘇からの火山灰が降り積もっていたことに起因している。特に熊本地震が起きてから、九州では1年で約13万回の地震が起きているため、その影響もあるでしょう」(武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏=地震学)