18人が東大現役合格 都立中高一貫校「小石川中教」のすごさ
■中高一貫の私立校と国立校の台頭で…
「都立高の凋落は67年の学校群制度導入(82年廃止)が影響したと言われていますが、それだけではない。麻布、灘、開成などの私立校や、教育(現筑波)大附属、教育(同)大附属駒場など国立校の台頭に抵抗するすべがなくなっていたのです。これらはいずれも中高一貫。6年間しっかりとカリキュラムを組める相手に、3年だけで勝負しなければならない都立高は厳しい状況に置かれるようになっていった」(予備校幹部)
小石川高の70代OBも60年代当時、中高一貫に比べ、相当な不利を感じていたという。
「現役合格するのもいたけれど、最初から浪人を前提で東大を目指している生徒も少なくなかった。以前なら現役で簡単に入れたのに、私立や国立の躍進で、合格のハードルもどんどん上がってきたんです。結局、4年かけて難関大学の合格を目指すというパターンが当たり前になっていました」
70年代以降、都立高は低迷の一途をたどった。転機が訪れたのは95年。東京都教育委員会が都立高の全面的な改革に乗り出すことを打ち出したのだ。議論が積み重ねられていく中で、中高一貫化構想が固められていった。都教育委員会の元職員は経緯を次のように明かす。