東京・中野区で陸自駆り出し「ミサイル避難訓練」なぜ実施? 能登有事の真っ最中にやっている場合なのか
■被災者救助より防衛力強化を優先
各機関の動員人数は現時点で未定だが、数十人規模となる見通し。現実に巨大な震災被害が生じている中、消防や自衛隊にはミサイル発射を想定した「訓練」よりも、被災者救助の「本番」が求められているはずだ。
弾道ミサイルを想定した国と自治体の共同訓練は、国民保護法に基づき2016年度から開始。東京では昨年11月に練馬区でも実施し、今年度は全国で過去最多の42自治体で予定されている。平時ならともかく、能登の有事の真っ最中にJアラートをカキ鳴らしての訓練には疑問符が付く。中止や延期の選択肢はないのか。所管する内閣府の担当者に聞いた。
「今回の訓練は重要な訓練。能登半島地震の影響で実施態勢に困難があれば中止や延期も検討しますが、各機関から『可能だ』との回答を得ている。可能である限り、実施します」(副長官補=事態対処・危機管理担当)
物々しい訓練は防衛力強化に向けたムードづくりの一貫だろう。自然災害大国ニッポンの政府は被災者救助よりも、ミサイル防衛が大事なようだ。