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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

長老OBの名誉欲発散の場? 向井千秋氏選出も不正横行「評議員選」に生まれたかすかな変化

公開日: 更新日:

 自署・押印がない投票は無効ということになっている。だが、筆跡をチェックされるわけではなく、三文判でOKなのでほとんど意味はなく、不正が横行している。「いつまでこうしたことを繰り返すのか」と憤るのは慶応大元教授。過去に教職員枠で評議員を務めた。

「評議員会などあってもなくても、慶応の運営にほとんど影響ないのが実情。会の側から方針を打ち出すこともなく、名誉欲の発散の場になっている。実効性のある組織にしたいのなら、もっと若返りを図る必要がある」

■80代の現役メンバーが…

 とにかく長老が目立つ。国分グループ本社会長の國分勘兵衛氏(84歳、62年卒)や三菱地所元社長の高木茂氏(同)ら、80代の現役メンバーが数多く残っているのだ。ただ、前回の評議員選(22年秋)ではちょっとした異変があった。これまでの評議員会は男性が圧倒的に多かったが、新任の評議員20人のうち女性が6人を占めたのである。この中には日本人初の女性宇宙飛行士の向井千秋氏も含まれていた。

 一番若い世代は94年卒で3人が新たに選ばれた。その中でぐるなび社長の杉原章郎氏と楽天グループ常務執行役員の小林正忠氏は初の湘南藤沢キャンパスの出身だ。ただ、2人とも50代。評議員会が一気に若返るというわけにはいかなかった。現在の評議員は全員昭和生まれだ。「次の評議員選でも平成生まれは出てきそうにない」と元教授は嘆く。

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