【水口食堂】(東京・浅草)品書きは100種以上
ビール大瓶があっという間に空に
さて、サッポロラガービール(大瓶690円)のアテに炒り豚(630円)とマグロぶつ切(800円)を注文した。名物の「炒り豚」は、とろみのあるカレー風味のタレで軟らかな豚肉とタマネギを炒めたオリジナルメニューだ。戦前は洋食店を営んでいた祖父が開店当初、戦後の食料不足の中、「限りある食材で何とか洋食の味を」と開発した。そのレシピは74年間、門外不出だ。
豊洲で仕入れる「マグロぶつ切」は、3センチ角のトロもふんだんに交じった切り身が計15切れ! この盛り付けで800円は安い。あっという間に瓶が空になり、テレビを見ながら「次はワインか日本酒か」と悩む時間もどこか懐かしく、落ち着くんだよなぁ。
土地柄、落語家や漫才コンビ・ナイツなどが訪れることもあるそうだが、サインはない。
「誰であっても一人のお客さん。邪魔することなくゆっくり召し上がっていただきたいですから。できる限り浅草で、この味を守っていきたいです」
この心遣いにホッとする。
(住)東京都台東区浅草2-4-9
(℡)03-3844-2725
(営)10時~20時30分
(休)水