やまのは(富山・宇奈月温泉)お肌“つべつべ”の露天風呂と黒部峡谷の絶景に心満たされる
グルメ情報誌「おとなの週末」(講談社ビーシー)は、おいしいものを軸に街や旅などの情報も幅広くカバーする。取材陣たちは、それぞれにお気に入りの旅プランがあるという。そこで、「おとなの週末」メンバーが厳選する「湯とメシの旅」に繰り出してみてはどうか。「至福の日帰り」&「癒やしの1泊2日」の条件に合わせて、それぞれ2つのプランを用意した。さあ、出発!
「生きているうちに、絶対一度行った方がいい」
宇奈月温泉から戻って以来、会う人全員にこの言葉を口にしているのがライター菜々山いく子。すっかり魅了されたのだ。東京からは北陸新幹線に乗車し、黒部宇奈月温泉駅で下車。ローカル線に乗り換えて約30分と、電車でもアクセスしやすい。
昨年、開湯から100年を迎えた温泉地で、今回選んだ宿が、数年前にリニューアルした「やまのは」。チェックイン後、まず直行したのは湯船が棚田のように階段状に造られた展望露天風呂、通称“棚湯”だ。
目の前には雄大な自然のパノラマ。無色透明の湯に身を委ねれば、自分が木々と一体になったような不思議な感覚。人波の中にいた今朝方までの自分がうそのようだ。出たり入ったりを繰り返していると、全身の肌が“つべつべ(富山弁でつるつるすべすべの意味)”になってくる。
夕食タイムはビュッフェ方式。職人さんが握ってくれる寿司に、その場で作る串揚げや炭火焼き、ご当地ラーメンと、ライブ感満載のラインアップがめっぽう楽しい。
ここで、宇奈月グルメ情報をさらに加えておこう。おすすめは、和洋中がそろうお食事処「ささや」。ヤキメシやカツ丼のほか、どれも素朴な味わいでグッとくる。宿滞在の前、もしくは後のランチにどうぞ。
話を湯に戻そう。翌朝はもうひとつの露天風呂へ(チェックイン当日と翌朝で男女入れ替えに)。湯船から見える、まるで絵画のように切り抜かれた景色が何とも美しい。景色と温泉に静かに身を委ねたくなる空間だ。源泉かけ流しの湯が、しみじみ芯まで染みてくる。