ドイツを歩く(上)「ベルリンの壁」崩壊から35年…平和運動の発祥地ライプチヒで中世に迷い込んだかのような錯覚に
1989年11月9日──。東西冷戦の象徴である「ベルリンの壁」が崩壊した年だ。あれから35年の節目を迎えたドイツ国内はどんな雰囲気に包まれているのか。日刊ゲンダイ記者はドイツ観光局が主催するツアーに同行。現地を歩いた。
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オーストリアやイタリア、ベルギーなどヨーロッパ各国から集まったメディア関係者に交じって向かったのは、旧東ドイツ第2の都市といわれるライプチヒ。東京から行くと、ミュンヘン経由で国内線を乗り継ぎ約15時間かかる。
冷戦時代はソ連支配下の旧東ドイツに属していたが、古くは音楽・芸術の街、現在では商業都市としても知られる。バッハやワーグナーなど偉大な音楽家ゆかりの地だ。ちなみに、600年以上の歴史があるライプチヒ大学は、ドイツを代表する文学者ゲーテや森鴎外が学んだことでも有名だ。
市内はバスやトラム(路面電車)などの公共交通機関が網の目状に発達しており、大体5~10分置きに運転しているため移動に不自由しない。歩道と車道の間には自転車専用レーンが敷かれ、朝の通勤時間はビュンビュンと自転車が通り過ぎる。うっかりしているとぶつかりそうになる。
「世界で最も美しい駅」のひとつといわれるライプチヒ中央駅の南西側が市の中心部に当たる。現在はライプチヒ市歴史博物館として使用されている旧市庁舎を中心に、「歩けば“歴史を発見できる”建造物が広がっている」(現地ガイド)という。15~16世紀に建てられた美しいルネサンス様式の建物が並び、中世に迷い込んだかのような錯覚に陥る。