いよいよ始まる「共同親権」制度の問題点は何か?
もっとも、この要件に該当するかを最終的に判断するのは、事件を担当する裁判官であり、改正民法が適切に運用されるには、裁判官が適切な判断を下すことが前提となります。
特に「共同して親権を行使することが困難である」かの判断については、裁判所での先例もなく、裁判所が当初から適切な判断をすることができるのかは疑問が残るところです。
また改正民法では、共同親権とするかは父母の協議で決めることもできるとしています。
DVやモラハラによって父母の一方が他方の言いなりになってしまうような関係性である場合には、半ば強制的に、共同親権を定めてしまうことも可能であり、離婚したにもかかわらず、DVやモラハラから逃れられない事案が増えることも考えられます。
このように、共同親権にはさまざまな懸念点がある状況だけに、その運用方法については動向を注視していくことが不可欠だろうと思います。