現役東大生に聞いてみた「学費10万円値上げ検討」をどう考える?

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「金を出すべきはあくまで国であり、財務省です。国立大学の法人化以降は運営費交付金が減らされ、学ぶ環境は損なわれてしまった。東大はまとめ役となり、全国の大学と連帯してもっと予算を出せと国に迫るべきです」

■「貧困層、地方出身者が東大に入りづらい構造こそ問題」

 経済学部の4年生は値上げを肯定しつつも、貧困層などに門戸が開かれていない現状に異を唱える。

「確かに金銭的な負担は問題ですが、東大生なら家庭教師のアルバイトなど、お金を稼ぐ手段はわりとある。奨学金を借りても、卒業後は高収入の仕事に就ける可能性が高く、返済の見通しがつきやすい。10万円程度の値上げなら問題ないかと。とはいえ、それは入学してからの話。今や東大生の多くは裕福な家庭の出身者で、過疎地や貧困家庭に生まれてしまえば、東大に入学するという選択肢は現実的ではなくなっている。こうした状況が再生産されてしまう格差社会を是正する方が、よっぽど重要だと思います」

 さすが東大生はいろいろ考えている。いずれにせよ、教育に金を出し渋る国に未来はない。

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