日本の「人質司法」はなぜ変わらないのか…カギは裁判所にある
6月11日、刑事弁護を主戦場とする弁護士数人が、「取調べ拒否権を実現する会(RAIS)」を設立したと発表しました。この会は、「人質司法を日本からなくすこと」を目的に設立されたといいます。これを機に「人質司法」の議論が高まることを望みたいです。
俗にいう「人質司法」とは、容疑を否認したり供述を黙秘したりする被疑者・被告人に対し、長期間にわたる身体拘束を行い、自白を強要するような捜査機関の取り扱いを批判的に表現した用語です。
被疑者・被告人には「無罪の推定」が及び、有罪判決が確定するまでは「罪を犯していない人」として扱わなければなりません。また、被疑者・被告人には、「黙秘権」が保障されており、取り調べに対し黙秘することができます。しかしながら、容疑を否認したり、黙秘権を行使する被疑者・被告人に対して、有罪が確定していないにもかかわらず、ただ自白を得るために長期間の身体拘束が行われることが普通に行われているのです。実際、私が担当した被疑者・被告人からも、長期間身体拘束を受けつつ、あの手この手で自白するように「説得」を受けた話をたびたび聞かされます。