能登半島地震から半年…死者数で熊本地震超え「災害関連死」リスクは高いまま
復興の道筋がまったく見えない中、1日で能登半島地震から半年経った──。被災地では避難生活などの負担が原因で亡くなる「災害関連死」の認定が相次ぎ、石川県輪島市と七尾市は先月27日、新たに計22人を認定した。
これで犠牲者数は281人になる見通しで、2016年に発生した熊本地震の276人を上回っている。
能登半島北部にある能登町の総務課は日刊ゲンダイの取材に「報道を見て『自分のケースも震災関連死に該当するのではないか』という遺族の申請が増えています」と話し、申請はこれからも増える可能性が高い。
「災害関連死」の多くは災害発生から3カ月以内に起こるとされる。しかし復旧が遅れる中、能登半島の被災者は依然として健康面のリスクが高い環境に置かれている。
NPO法人「日本防災士会」理事の大月真由美氏は、こう危機感をあらわにする。
「珠洲市や輪島市ではいまだに断水状態が続く地域が多くあります。トイレの水が流せないため、排泄物を保管し一般ごみで捨てなければならず、ハエがわかないよう対策しなければなりません。トイレ事情は山奥の地域に行けば行くほど劣悪で、今も仮設トイレを使っている人も少なくありません。水が十分に使えないと衛生面も悪化し、夏に向けて食中毒が発生する危険性があります」