失職決断の兵庫県・斎藤元彦知事やっぱりヤル気満々 出直し選挙で「同情票」狙いの勝算
知事職への執着は、やはり並大抵ではない。兵庫県議会から不信任決議を突きつけられた斎藤元彦知事(46)が、失職した上で出直し知事選への出馬を表明した。
今月19日に不信任決議を受け、判断期限の29日が迫る中で、斎藤知事は26日県庁で臨時の記者会見。「改革を止めるわけにはいかない」「県民の皆さまにもう一度力を与えていただきたい」と訴えた。
議会を解散しなかった理由は「最初からなかった」。辞職についても「選択肢になかった」。最終決断は、地元の高校生から「辞めないで欲しい」と書かれた激励の手紙をもらったことだとしてエピソードを披露。涙ぐむ場面もあった。
辞職による出直し選挙だと当選しても自身の残り任期の約1年だけだが、失職なら4年まるまる知事でいられる。それも理由だろう。不信任について「知事が職を辞すべきことなのか」と疑問を口にし、納得していない様子がアリアリだった。
「自ら辞職したら非を認めることになるので、斎藤氏にその選択肢はなかった。告発後に亡くなった県民局長の遺族から損害賠償請求訴訟を起こされてしまいかねませんしね。不信任決議後にテレビに出まくって感触がよかったので、『改革派vs守旧派』の路線で出直し選挙も戦えると思ったのではないか」(現地で取材を続けてきたジャーナリスト・横田一氏)