【埼玉・八潮市道路陥没「2次被害」現場ルポ】発生2週間、水は濁り死んだ魚が…下水放流地で見た河川の異変
農作物への風評被害を危惧
放流地点の周囲には、田んぼが広がっている。川沿いの地域で稲作を営む40代男性は、農産物への懸念を示す。
「心配なのは風評被害です。新方川と接している農業用水は、あくまで排水用です。あの川の水でおコメは作っておらず、コメの品質に影響しないことは強調しておきたい。ただ、そうはいっても印象は悪くなる。あと数カ月で田植えの時期を迎えるので、下水放流が長期化すると困るというのが正直なところです」
放水地点周辺のイメージ悪化は避けたい。
(取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ)
■中に人影? 救助まで最短3カ月
埼玉県八潮市の県道が陥没しトラック1台が転落した事故で、県は11日、下水道管内に入ったドローンの画像からトラックの運転席部分が確認されたと明らかにした。陥没現場から約30メートル下流で、内部には人影のような姿も写っており、安否不明の男性運転手の可能性がある。
管内は水流が強く、有毒の硫化水素も発生しているため、人が入っての捜索は困難。県は、下水道管にバイパスを設置して水流を止めた上で、男性を捜索する方針。バイパスを完成させ救助するまで、最短で3カ月を見込んでいる。
大野元裕知事は同日、今回の事故を受けて八潮市への災害救助法の適用を決定したと発表。一方、周辺12市町の住民ら約120万人に要請してきた下水道の利用自粛については12日正午に解除する。