「なんだか忙しい」と常に感じている人に知ってほしい「時間」に対する考え方
「次」を意識し、「後」を気にかけ、「忙しい」と感じ続ける
結果として、私たちは常に「次」を意識し、「後」を気にかけ、そして「忙しい」と感じ続けているのです。
「一期一会」という言葉をご存じでしょうか。お茶の世界から生まれたこの言葉は、「この出会いは二度と訪れない、だから心を込めて大切にしよう」という教えです。
実は、この考え方は人との出会いだけでなく、人生のあらゆる瞬間に当てはまります。
今この瞬間。この空気、この景色、この気持ち。すべては、二度と同じようには訪れません。この「今」を心から大切にする時、不思議なことが起こります。
「早く次へ」「もっと先へ」という焦りが消え、「忙しい」という感覚が自然と薄れていくのです。
とはいえ私たちは「クロノス時間」という概念を完全に無視して生きることはできません。それは、現代社会で生きていく以上、避けられないことです。
しかし、それを絶対的なものとして捉えるのではなく、1つの「目安」として扱うことはできます。
・会議の時間は「1時間」と決めるのではなく、「話し合うべき内容が終わるまで」と考える
・1日のスケジュールは「時間単位」ではなく、「やるべきこと」「やりたいこと」を中心に組み立てる
・「締切までにできるか」ではなく、「今できることは何か」を考える
このように時間術ではなく、考え方を変えることで、「時間に追われる」という感覚から解放されていきます。
▽豊留菜瑞(とよどめ・なつみ) 読書アカウント集団・BUNDANの代表
1989年生まれ。年間240冊の書籍を読破する、ビジネス書の探究者。読書を通して得た「働き方」や「生き方」の知恵を自身の人生で実践し、複数のフットケアサロンの起業・経営に成功。3カ月先まで予約が取れない、リピート率90%超えのサロンとなる。各メディアでの書評寄稿や、ビジネス書レビューの発信も精力的に行い、「本から学ぶ実践的ライフスタイル」を提唱。本書が初の著書となる。