ベルリング 飯野塁社長(1)消防車・救急車業界にひとりで飛び込んだ風雲児
「当時すでに消防車の運転席に取り付けるハイルーフはあったのですが、鉄製ですごく重かった。消防車自体に重量規制があるので、その分、装備を降ろさねばならず、しかもバランスが悪くなって横転事故も起きていました。どうしてそんな重い素材を使っているのだろう、もっと軽い素材で造ればいいのに、とひらめいたのです」
ただし、当時大学で経済を学んでいた飯野に、物作りの知識は全くなかった。もちろん手伝ってくれる者もいない。唯一あったのは己の情熱のみ。たったひとりでのパーツ造りが始まった。(つづく)
(ライター・いからしひろき)