夕月 清水淳子社長(6)震災で行き場を失った「かまぼこ10万本」 避難所に無償配布を決断

公開日: 更新日:

■福島県外への工場移転も検討

 メーカーとしては製造ラインが止まったのは大きな痛手だった。

「手をこまねいていたらお取引先の棚を他社に奪われてしまい、巻き返すのは並大抵ではありません。そこで四国の提携工場に夕月ブランドの練り製品をOEMしてもらい、シェア減少の阻止を図りました」

 そして震災から約2カ月後、破損した水道管の工事がようやく終わり、生産再開。復興の歩みは大きくなった。

「心配したのは福島第1原発の爆発事故による風評被害でした。福島産というだけで誤解する人が現実にいらっしゃいましたからね。弊社では一時、工場の県外移転も検討したくらいです」

 だが、消費者はもちろん、問屋、小売店の不安を取り除くのを優先すべきだろうという結論に達した。

「それで各部署にガイガーカウンターを置いたほか、水や空間線量の測定、外部委託商品の放射能検査などを行い、丁寧に説明することにしました。それは今も変わらず、専門会社に委託してゲルマニウム半導体検出器を用いた精密検査を毎月行い、安心安全な商品をお届けしています」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議