ガスト“逆張り”値下げは吉と出るか…競争優位性の確保狙い中島尚志社長が決断
■4年以内に債務超過を解消できると予測
中島氏の社長就任は嵐の中の船出となった。すかいらーくグループの中核企業である「すかいらーくレストランツ」は、20年12月期に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、客数は大幅減少となり、深夜営業時短も含めてイートインの既存店減収インパクトはグループで1000億円を超え、単体でも700億円近い減収を余儀なくされた。
足元の22年12月期は、コロナ明けから徐々に客足が回復し、深夜営業時間も増加させたことで単体売り上げは前期比13.4%増を示した。粗利率も68.5%と高率を維持したが、人件費上昇、光熱費高騰、原材料費上昇などから営業利益段階では連続赤字を強いられた。
「赤字計上で債務超過額は131億1100万円に拡大し、ゴーイングコンサーンに疑義を生じさせた。しかし、親会社からの財政支援を受けながらおおむね4年以内に債務超過を解消できる予測としている」(大手信用情報機関)という。
すかいらーくホールディングスが10日に発表した23年12月期第3四半期累計(1~9月)の連結最終損益は45億3000万円の黒字(前年同期は46億1000万円の赤字)に浮上した。だが、病み上がりの状態であることに変わりはない。はたして値下げは吉と出るか。