さらば増税メガネ! 2024年の賃上げ「前年割れ」見通し4割、ショボすぎ経済対策に庶民の苦境続く
経済対策は「ショボい、小さい、効果なし」
経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
「政府の賃上げ税制は効果を上げていません。そもそも、企業の7割が法人税を払っていないのに、税制優遇する道理はないし、賃上げを継続しない限り、優遇は1年だけ。企業にとっても割が合わないのです」
与党税制大綱では賃上げ税制の期限を23年度末から3年延長。賃金増加額の法人税最大控除率を大企業35%、中小企業45%に拡充したが、ない袖は振れまい。TSR調査で賃上げ原資確保のために必要とされたのは価格転嫁(65.20%)と生産性向上(44.33%)が2トップで、税制優遇拡大(14.94%)は低評価だった。
「賃金がじわじわ上昇している要因は税制ではなく、人手不足です。内部留保を抱え込んでいる大企業は人材確保のために対応する余地がありますが、原材料高に加えてインボイス制度に苦しむ中小企業はどうにもならない。
来年10月から従業員51人以上の事業所に対し、パート・アルバイトの社会保険加入が段階的に義務化される。労使折半ですから、企業の負担感は税金より重い。岸田首相は『所得倍増』とか『年収の壁突破』とか、言うことは大きいですが、中身は小さいショボいで効果なし。経済政策はダメの寄せ集めです」(荻原博子氏)
物価高で実質賃金は19カ月連続マイナス。少なくとも増税メガネが退場しなければ、庶民の苦境は続く。