岸田首相の頼みは「経済」…実質賃金プラスをしくじれば「6月退陣」に現実味

公開日: 更新日:

 支持率が過去最低更新ラッシュの低迷する岸田政権。裏金問題を巡り、起死回生で打ち出した派閥解消も麻生派と茂木派が存続の方向で、“ハーフ&ハーフ”になってしまった。朝日新聞の世論調査(20、21日実施)では、派閥解散が「信頼回復につながらない」は72%に上った。

 何をやってもうまくいかない中、頼みにするのが経済だ。

 岸田首相は22日の「政労使会議」で労使の代表らに「昨年を上回る賃上げをお願いする」と訴えた。

「実質賃金は20カ月連続マイナスが続いていますが、株高、大幅な賃上げ、インフレの鈍化などの好材料がある。岸田首相は今年中に実質賃金をプラスに転じさせ、何とか政権を延命させたいと考えているようです」(霞が関関係者)

 22日の日経平均終値は前週末比583円高の3万6546円で、終値としては約34年ぶりに3万6000円台に乗せた。内閣支持率の低迷に反比例し、株価はうなぎ上り。今年に入ってからの上げ幅はすでに3000円超だ。株価だけを見れば、日本経済の見通しは明るく見える。

 春闘も大企業からは景気のいい声が聞こえる。今年の春闘賃上げ率(資本金10億円以上かつ従業員1000人以上の労働組合のある企業364社)の民間予測平均は3.85%。昨年の3.60%を上回る見通しだ。

 インフレも鈍化傾向だ。12月の全国消費者物価指数は生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で2.3%の上昇となり、2カ月連続、伸び率は縮小している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情