呆れた自民の「裏金」調査報告書…反省ゼロ、中身は安倍派幹部への愚痴だらけ
現金隠しには追徴課税がスジ
さらに驚くのは、裏金の管理方法についてまとめた項目だ。受領した議員全85人中、39人が「現金」、12人が「現金及び銀行口座」。現金の保管場所として「事務所の金庫」「鍵の掛かった事務所の引き出し」「専用の箱(物理的なボックス)」「引き出しの小さい金庫」を例示し、まるで脱税社長の「現金隠し」さながら。
また、キックバックを受け取った85人中、31人が「(カネを)使用していなかった」と回答。その理由に「気持ち悪いと思っていたので使わなかった」との声も紹介している。仮に、受領した裏金を金庫に入れたまま使わなかったとしたら、「所得隠し」「脱税」ではないのか。
「意図的に裏金づくりをやっていたわけですから、管理方法が金庫だろうが銀行口座だろうが脱税であることに変わりはありません。世論の批判を受けてか、自民党内で、キックバックを不記載にしていた議員に対し納税させる案が浮上しているようですが、これは脱税を自白したも同然。長年にわたり裏金化していた悪質さに鑑み、税務署は議員に重加算税を課すべき。でなければ、国民は納得しないでしょう」(立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏=税法)
そもそも報告書は裏金を「還付金」、中抜きを「留保金」と言い換え、反省の色ナシ。裏金議員の愚痴など、誰が聞くものか。改めてキチンと実態を調査し、不正に蓄財していたヤカラに追徴課税を払わせるべきだ。