京都名門企業の象徴「オムロン」苦境…純利益予想98%減、中国依存が徒に
体温計・血圧計などで知られる京都の名門企業、オムロンが苦境に陥っている。
オムロンは2024年3月期の業績見通しを下方修正し、純利益予想を前年度比98%減の15億円に引き下げた。昨年4月の年度初めには純利益745億円を見込んでいただけにその落差の大きさに驚かされる。しかも下方修正は昨年10月に続き2回目で、オムロンの株価は一時ストップ安に沈んだ。オムロンに何が起こっているのか。
昨年6月に辻永順太氏が社長に就任するのと同時に、創業家の立石文雄会長が名誉顧問に退いた。
「会社設立以来、初めて創業家出身の取締役がいなくなり、求心力に不安が感じられる」(メガバンク幹部)と心配する声も聞かれる。
オムロンは1933年5月、大阪市都島区東野田で立石一真氏が「立石電機製作所」を創業したのが始まりで、1948年5月に「立石電機」となった。「立石一真氏は京都財界の重鎮で、独自のサイニック(経営)理論を提唱するなど、戦後に起こった京セラの稲盛和夫氏や日本電産の永守重信氏が最も尊敬する企業家だった」(メガバンク幹部)とされる。