下町の洗濯屋の3代目娘が染み抜き剤で一発当てた秘策とは…宣伝費ゼロで年商5000万円!
浅川ふみ社長(株式会社ハッシュ)=前編
下町の小さなクリーニング店から、年商5000万円の洗剤メーカーに。そんな華麗なる転身を遂げたのが、ハッシュの浅川ふみさんだ。祖父の代から続く家業を継ぎながら、独自の染み抜き剤「スポッとる」を開発・販売し、一躍“もうけびと”となった。
「クリーニング業界は長らく右肩下がり。このままでは生き残れないと危機感を抱いていました」
浅川さんが開発した「スポッとる」は、累計70万本以上を売り上げるヒット商品に。しかし、そこに至るまでの道のりは決して平坦ではなかった。
浅川さんは小さい頃から店を継ぐことを決めており、20歳の若さで家業に従事。しかし、女性ということもあってか父親からは技術習得を許されず、集配の仕事に追いやられた。
「今思えば、それが転機でした。お客さまと直接やりとりする中で、生の声を聞くことができたんです」
高級住宅街を回る中で、浅川さんは顧客の厳しい要求に直面した。