利上げ観測で「円高」急加速1ドル=151円台…7月末の決定会合で植田日銀はどう動く?
25日は日経平均株価が大幅続落。下げ幅は一時1300円を超え、終値で3カ月ぶりに3万8000円を割り込んだ。直接の原因は米ハイテク株の下落に引っ張られたことだが、これに急激な円高が輪をかけた。為替相場は一時1ドル=151円台まで進み、5月上旬以来、2カ月半ぶりの高値水準となったのだ。
この円高基調は、来週30、31日に開かれる日銀の金融政策決定会合で、追加利上げが行われるとの観測が影響している。マーケットは利上げを織り込み済み。というのも、政府・自民党から利上げを求める発言が相次いだからだ。
17日に河野デジタル相が「円は安すぎる」。22日には茂木幹事長が「段階的な利上げの検討も含め、正常化する方向を明確に打ち出すことが必要だ」と言い切った。2人とも「ポスト岸田」をにらんだアピールもあるのだろうが、「自民党の幹事長という重い役職の発言だからと、マーケットが反応した」(金融関係者)という。
これまで7月の会合では、月間6兆円程度の国債買い入れの具体的な減額計画を示すだけとみられていたが、マーケットの“期待”を背負わされた植田日銀は利上げにも動くのか。