そのころの原氏には家業を継ぐという意識はなかった。当時の原少年は野球に夢中。特に王貞治に憧れたという。
「王さんが努力を礎に、シーズン55号本塁打を記録し、とどまることなく活躍を続けて868本というホームランの世界記録を打ち立てた。現状に満足せず常に上を向き努力をし続けることの大切さは、王さんから学びました」
そう話す原氏だが、実際のところは全く勉強せずに遊んでばかり。心配した親が家庭教師をつければ家に帰らず、理不尽だと感じれば教師にも歯向かう手の付けられない“悪ガキ”だったという。 (つづく)
(ジャーナリスト・中川明紀)