カレーライス物価「370円」超えに庶民は悲鳴…値上げラッシュ再燃でエンゲル係数“爆騰”迫る
「経済は回復の兆し」に実感ゼロ
さらに家計に追い打ちをかけるのが、食品の値上げラッシュだ。TDBが先月末に公表した食品主要195社の価格改定動向調査によれば、年明けから来春までの飲食料品の値上げは、分かっているだけでも3933品目に及ぶ。
前年同時期に公表した今年の値上げ品目見通し(1596品目)を倍以上も上回った。
「食卓の物価高は今年を上回ると予想される」(飯島大介氏)という。
家計に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は足元で約30%。理想とされる20%前後に比べ、異常な高さである。
再燃する値上げラッシュに、エンゲル係数の爆騰は待ったなしだが、政府はノンキなもの。加藤財務相は9日の財政演説で「我が国の経済は回復の兆しが見られている」などと胸を張っていた。一体どこが、だ。経済評論家の斎藤満氏が言う。
「企業はコストの価格転嫁を恐れなくなってしまい、賃上げが物価高に拍車をかける悪循環です。賃上げで多少は手取りが増えても、物価高で相殺されてしまう。国民生活は2年以上も続くインフレで疲弊しているというのに、いつまでも『デフレからの脱却』を叫ぶ、庶民感覚から乖離した政治が続いています」
実感なき経済成長の「兆し」を誇る前に、家計にのしかかる「重し」をどうにかして欲しい。
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消費支出に占める食費の割合が日本で急伸し、主要7カ国でトップに。これを受け〈エンゲル係数が高いのは貧しい発展途上国とされてきましたが、「衰退途上国」の日本でも同じことが起きているようです〉のXのポストが注目を集めている。●関連記事【もっと読む】『ニッポンは「衰退途上国」なのか…エンゲル係数がG7首位の衝撃』で詳報している。