2024年の訪日外国人は38%増の3450万人…インバウンド価格の実態と国内消費への影響
「外国人はそもそも日本の物価水準がわかりませんし、どこに安い店があるかは把握していない。『ここでしか買えない』という心理が働き、財布の紐も緩みがちになる」(私大観光学科の教授)
高額店のほとんどが和食関連で洋食や中華は見かけない。日本でしか食べられないことで強気なインバウンド価格を設定しているのだろう。
円安も影響している。2019年まで1ドル100円台後半で推移していた為替は現在、150円前後。外国人にとって日本の物価は、単純計算で1.3倍以上も安くなっている。
■大手飲食チェーンも続々
インバウンド価格は零細業者だけの話ではない。大手飲食チェーンも高額メニューを提供している。税込み約2000円のうな重を販売する吉野家は一時期、インバウンドメニューのおすすめ欄に同商品を掲載していてネットで話題になった。
くら寿司ではグローバル旗艦店の一つ、銀座店で1800円の特上にぎりセットや1300円の天ぷら盛りを提供。「旗艦店では客の約半分がインバウンド」(くら寿司関係者)だという。外国人を意識した価格設定であることは明らかだ。