カミーノ 深澤幸一郎社長(1)植物成分99%以上のペーパープラスチックを開発
カミーノは、代替プラスチック「PAPLUS(パプラス)」などを手がける環境配慮型素材開発ベンチャーである。
PAPLUSは、トウモロコシ由来のポリ乳酸と、工場から出る損紙などを利用しているため、99%以上が植物成分でできている。石油由来のプラスチックとは違い、クラフト感があり、陶器のような手触りだ。
深澤(55)は、元外交官という異色の経歴を持つ。高校時代はアメリカ留学、大学時代にはヨーロッパやアジアを放浪、外務省ではイギリスやアフリカへの赴任と、若い頃から世界を股にかけてきた。
そうした中で気になったのは、欧米と日本との環境に対する意識の違いだった。海外にいると、「日本は環境対策後進国」と指摘されることが多く、深澤は後ろめたさを感じていたという。
「特にヨーロッパでは資源の枯渇を懸念して、すでに1980年代ごろから、プラスチックをできるだけ使わないようにしようという流れがありました」
ヨーロッパにはクラシックカーや骨董品など古い物を大切にする文化がある。建物の保存にも力を入れている。