ジャック製菓 中野幹社長(1)就職内定を辞退して家業を継いだ3代目 ラーメン菓子「ヤッター!めん」が大人気
昭和を感じるイラストがたまらないラーメンスナック菓子「ヤッター!めん」が大人気のジャック製菓。すべての商品のパッケージやおまけのイラストを、社長の中野幹氏(71)が一人で描いているという。その制作裏話はもちろん、創業の歴史や経営の方針、今後の展望などを幹氏に聞いた。
「菓子問屋をしていた祖父が、1948年に大阪市生野区からココ(大阪・河内永和)に疎開してきて、ジャック食品工業株式会社という名前で創業しました。祖父はオシャレで、カッコつけたものが好きでした。それでトランプから『ジャック』という言葉をとって新しい商売を始めたようです」
菓子問屋の前には、おかきのメーカーをやっていたこともある創業者。経営の才覚があったが創業の2、3年後に体を壊してしまった。
「祖父の長男はもう学問で身を立てていました。そのため、次男である私の父が、高校を中退して後を継ぐことになりました。当時は小さなかりんとう種を練った水あめで包み込んだ棒状の駄菓子・奉天とか、えんどう豆を5色の糖衣でくるむ五色豆とか。それからニッキ棒などを作っていましたね。大きな回転釜が回っている、そんな工場の風景をなんとなく覚えています」