カミーノ 深澤幸一郎社長(1)植物成分99%以上のペーパープラスチックを開発
「でも、日本に帰ってくると、消費主義で何でもかんでもプラスチックなのです」
コンビニの弁当しかり、丁寧な包装しかり、利便性のあるプラスチックが多用される。
「こまやかな気配りが重視される日本ならではの文化でもあるのですけれども、それがもたらす負の側面はあまり議論されてきませんでした」
大学時代、東南アジアを旅していたとき、海岸に打ち上げられたプラスチックごみの山を見てショックを受け、それが原風景として深澤の胸に刻み込まれた。
2015年、ウミガメの鼻にプラスチックストローが刺さっている動画が世界的に拡散された。焼却時に排出するCO²や、マイクロプラスチックによる人体への影響も問題視されるようになってきている。
その後、起業した深澤は、再生パルプメーカーのコンサルティングを請け負い、紙のリサイクルに携わるようになった。それがきっかけとなって、「木を原料として土にかえる紙こそがプラスチック問題の解決策のひとつになり得るのではないか」という考えにたどり着く。