保阪正康
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保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

鈴木貫太郎が歴史の中に名を残すのは、天皇の軍隊に敗戦を認めさせるという難事業だった

公開日: 更新日:
鈴木貫太郎首相、ポツダム宣言を「黙殺」(1945年7月28日、内閣記者団と会見する鈴木貫太郎首相=首相官邸)/(C)共同通信社

 鈴木貫太郎首相が歴史の中に名を残すのは、太平洋戦争を終結せしめた「政治家」ということになるのだが、それは天皇の軍隊であるはずの軍事組織に敗戦を認めさせるという難事業であった。わかりやすく例えるならば、天皇は自らの力だけで戦争を止める権力、権威を失っていたということにもなるであろ…

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