警察官を装い「身の潔白を証明するため」…金塊2億円をダマし取った巧妙手口
「北海道警豊平署の刑事課の内山です。マネーロンダリンググループのリーダーの男を捕まえ、家宅捜索であなたのキャッシュカードも出てきました。リーダーの男が『あなたに報酬を渡した』と供述している」
警察官を名乗る男は仙台市青葉区の70代女性に電話をかけ、「身の潔白を証明する方法として資金調査がある」と伝えて資産を聞き出し、金貨や金の延べ棒約40点(重さ13キロ、時価約2億円)と現金1000万円をだまし取っていた。
先月18日、70代の女性のもとにまず「東北通信基盤局」の職員を名乗る女から、「携帯電話の契約」についての電話があった。
女性が「身に覚えがない」と答えると、女は「個人情報が漏洩された可能性があります。警察に引き継ぎます」と言って「内山」という男にバトンタッチした。
内山はSNSのメッセージで「守秘義務命令書」などと書かれた写真を送信。女性に「資金を調査します」と伝え、金塊をキャリーケースに入れ、女性の自宅近くの公園まで持って来るよう指示した。
「女性が公園の指定された場所にキャリーバッグを置き、その場から離れると、犯人が金塊をキャリーバッグごと回収。その後、2度にわたって現金1000万円を金融機関の指定口座に振り込ませた。犯人グループは女性に事件の疑いがかかっているイメージを抱かせ、『資金を調べるから提出しなさい』といった、もっともらしい言葉でだましていた」(捜査関係者)