「待ってろ、巨人」 ロッテ・グライシンガーを発奮させた古巣への“恨み”
延長十回に決勝本塁打を放ったのはブラゼルだが、この男の快投を忘れてはいけない。
負ければ楽天に王手をかけられる大事な一戦。崖っぷちのチームを救うべくマウンドに上がると、6回4安打無失点の好投でCSの流れを変えた。
「ようやくチームに貢献できた。ずっと迷惑をかけていたからね」
助っ人右腕にとっては「ぶっつけ本番」の一戦だった。9月中旬に右肩痛のため、CS進出をかけ熾烈な戦いを繰り広げるチームから離脱。気持ちが切れてもおかしくはなかったが、彼には大きな目標があった。
自分を見限った古巣へのリベンジである。11年オフに巨人をクビになりロッテ入り。直後のキャンプで巨人への思いを聞くとこう漏らしていた。
「(戦力外通告は)手術を受けた右ひじの状態もよくなっていたときだった。それに、(巨人で)調子が上がらなかったのは捕手との相性なんかもあったから。この悔しい思いを晴らすためにも頑張らないとね」
「打倒巨人」を胸に昨季は12勝をマークしながら、チームは5位に低迷。巨人へのリベンジはならなかった。今季3位のロッテはCSファーストステージで2位の西武を倒し、ファイナルに進出。巨人も昨18日、3連勝で広島を蹴散らし一足早く頂上決戦にコマを進めた。ロッテが今シリーズで楽天も蹴散らせば、巨人に借りを返せるチャンスが訪れる。