右足だけでも勝っちゃう遠藤 脅威の相撲センス

公開日: 更新日:

大相撲九州場所 8日目>

 手負いといって侮るなかれ、だ。

 大相撲九州場所8日目、入幕2場所目の遠藤(23)が天鎧鵬を切り返しで破り、3勝目を挙げた。

 遠藤は先場所中に左足首を負傷。今場所直前に剥離骨折と左足アキレス腱炎と診断された。それでも強行出場し、負け越しているとはいえ3勝5敗。遠藤が強いのか、それとも対戦相手が弱いだけなのか。

 あるベテラン相撲記者は「そもそも、左足の負傷は周囲が思うほど弱点にはなってない」と、前置きしてこう言う。

「遠藤は右で前みつを取ると力を発揮するタイプ。立ち合いでは右足から踏み込むことが多いので、得意の体勢に持っていくために左足はそれほど重要ではない。前みつさえ取れば、自分の相撲が出来るからね」

 それでも左足を攻められたら弱いことには変わりがない。遠藤に負けた力士はそこまで頭が回らなかったのか。

「遠藤の今場所の相撲を見ていると必ず右足を残している。つまり、左足が利かないので右足を後ろに下げて踏ん張れる体勢をつくっている。対戦相手が左足を攻めようとしているのは先刻承知。相撲センスがあり、頭も良い力士だから、うまく組んで相手を操作している。ケガをしている状態でいかに勝つかを考えた上での相撲ですよ」(前出の記者)

 この日も天鎧鵬が倒れた瞬間、自ら左足の力を抜いて後ろに倒れている。無意味に踏ん張ってケガを悪化させるのを避けたのだろう。

 優勝争いは全勝の横綱2人に絞られたが、遠藤の相撲からも目が離せない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…