西武・中村「4年で20億円」はチームにも本人にも大バクチ
「西武には愛着がある。誰もが認めるような最強の打者になりたい」
笑顔で語ったのは西武の中村剛也(30)だ。3年契約の2年目だった「おかわりクン」が9日、契約更改で新たに4年契約を結んだ。
来季は5000万円増の3億5000万円プラス出来高。年俸は変動制ながら、出来高を含めると4年間で最大20億円に達する。日本人選手としては球団史上最長のビッグな契約だけに、笑みがこぼれるのは当然か。
中村は昨秋、左膝前十字靭帯(じんたい)および半月板を手術。一軍復帰を目指していた今夏は左肩も痛めて復帰が大幅にずれ込み、今季は26試合で打率.208、4本塁打、15打点に終わった。過去に4度の本塁打王を獲得した和製大砲とはいえ、古傷の影響も心配されるだけに、破格の待遇といえる。
鈴木球団本部長は「本人が『ライオンズ一筋でやりたい』と言っている」と、長期契約に至った理由を語った。これは他球団への流出を阻止するという意図もあるはずだ。中村はすでに国内FA権(8年)を取得済み。西武は今オフ、片岡、涌井が揃ってFA宣言している。主力級の流出に歯止めがかからないだけに、中村だけには何とか残って欲しいという球団の熱意は感じる。