マエケン「メジャー挑戦」発言で広島球団が見せた“大人の度量”
明日にでも入札にかけそうな雰囲気だった。10日、ポスティングシステム(入札制度)によるメジャー挑戦の希望を表明した広島の前田健太(25)。契約交渉の席上、「来年はカープのために頑張りますが、野球人生は一回しかない。自分がいい状態のときに行きたい」とエースに直訴されると、球団の鈴木本部長はこう言ったのだ。
「挑戦したい気持ちはよく分かる。行くからには球団、チーム、選手、ファンにとっていいときに挑戦して欲しい」
一般論として、と前置きこそしたものの、事実上の容認姿勢。来オフにも、前田を入札にかけることが確実になった。
■「去る者は追わず」の気前の良さ
「この日の交渉で、前田は7000万円アップの年俸2億8000万円で契約更改。これは、球団史上最高額です。資金力に限りのある広島にとってはもう、1人の選手に出す年俸の限界値。今季15勝で4年連続2ケタ勝利の前田は、楽天の田中と並ぶ日本のエース。よほどのことがない限り、今後も給料は上がり続ける。広島が前田の入札を容認するのは、そうした背に腹は代えられないという事情もあります。新入札制度は入札金の上限が20億円に設定され、球団にとってはうまみが減ったとはいえ、黙っていても3年後にはFAでメジャーに出て行かれるわけですから、20億円でも御の字が球団の本音です」(地元放送局関係者)