ソチ五輪 浅田真央を追い込むトリプルアクセルと大和魂
不甲斐ない演技でソチ五輪代表最終選考会を終えた浅田は表情を曇らせながら、「自分の演技ができず残念。3Aはタイミングがつかめないまま試合に臨んだ感じ。3Aは1発目がきれいに決まっていたら2発目もわからなかった。この悔しい気持ちを次にぶつけられたらいい」と言った。
浅田の代名詞になっている3Aは唯一前向きに踏み切り、他方の足で着地。他のジャンプより半回転多く回ることから、現在の女子では最も難しいジャンプといわれている。プログラムに入れているのは浅田だけだ。
一方で、難易度の高い技なのに基礎点は意外に低い。これは前回のバンクーバー五輪の後でも議論になったことだが、浅田が3Aと2回転トーループを成功させても基礎点は9.5。ライバルのキム・ヨナが3Aより簡単な3回転ルッツ、3回転トーループの連続で基礎点が10.0。しかもこの時の評価点は浅田がたったの0.2。キム・ヨナは2.0も加点されたから、「難しいジャンプに挑んでバカを見た」と言う者さえいた。「難しいジャンプ」といえば、同大会で4回転ジャンプを跳んで銀メダルに終わった男子のプルシェンコ(ロシア)が、4回転を跳ばずに金メダルをとったライサチェク(米国)を皮肉って「4回転論争」が湧き起こった。