巨人・松井臨時コーチが見初めた 19歳“無名選手”の正体
辻は三重県出身。菰野高から12年ドラフト3位で入団した。181センチ、82キロの大型内野手。原監督が「由伸と(阿部)慎之助以降、自前で左の長距離打者が育ってない。辻はいい」と話す期待の和製大砲候補である。
その貪欲な姿勢は、高卒1年目の昨季から群を抜いていた。
故障で二軍生活を送っていた実績のある高橋由や古城(昨季限りで引退=球団職員)といったベテランから何かを吸収しようと必死だった。古城氏が言う。
「辻は高校の頃の由伸に似ている気がします。故障明けの由伸が打っているところを目を皿にしてじっと見ていた姿が印象的。かと思えば、ボクのところに来て、課題とされている内野守備のことを聞かれたことがあります。その頃は辻も右手をケガしていたので、捕球の時の右手の添え方を教えました。今どきの若い選手にしては珍しく、先輩の技をひとつでも盗んでやろうという貪欲なところがあって感心したのを覚えています」
今オフも、目標とする高橋由に「自主トレを一緒にやらせてください」と直訴。恒例の沖縄自主トレに初参加した。