モーグル難コースは「日本に有利」を覆した海外勢の集中力
予選1回目が行われる直前まで「日本勢はコースの恩恵を受けそうだ」という話が関係者の間で広まっていた。
会場の「ローザ・フートル・エクストリーム・パーク」は全長247メートル、平均斜度28度。前回のバンクーバー五輪と同じ傾斜、最大斜度32度で難コースに分類される。
硬いコブのピッチもW杯と違い、リズムよく滑れない。公式練習ではバランスを崩して転倒したり、コースアウトする選手が続出。海外勢からは「リスキー」と不満が高まっていた。
そのコースは、モーグルW杯が開催される猪苗代のリステルスキーファンタジア(国際スキー連盟公認)と形状が似通っているため、日本勢には有利に働く可能性があるという話だった。
猪苗代では上村愛子(34)が2009年世界選手権金メダル。伊藤みき(26)も昨年W杯で優勝し、村田愛里咲(23)は6位入賞を果たすなど結果を残している。
ところが淡い期待もいいところだった。
フタを開けたら実力どおりの結果で、W杯16連勝と世界選手権3連覇の大記録を持ち、バンクーバー五輪金メダリストで連覇を狙うハナ・カーニー(米国・27)がトップに立ち、2位は今季W杯総合5位につけるクロエ・デュフールラポワント(カナダ・22)、3位はラポワント3姉妹の末娘で、女王ハナの連覇を阻止する最有力候補と目される今季総合2位のジャスティン(19)だった。