遠藤フィーバーに“おんぶに抱っこ” 相撲協会の不甲斐なさ
「土俵際の魔術師!」
NHKのアナウンサーも思わず叫んだ。
大相撲春場所8日目、3勝4敗の遠藤(23)は全勝の大砂嵐(22)と対戦。互いに左まわしを取ったものの、遠藤は半身の体勢となり防戦一方となった。それでも追い詰められた土俵際で上手投げをこらえると、起死回生の突き落とし。ほぼ同時ながらもわずかに大砂嵐の方が早く落ち、軍配は「遠藤~!」。場内は大歓声に包まれた。
取組後は遠藤が「(初日にケガをした額の傷口が開かず)血が出なくてよかった」と軽口を叩けば、大砂嵐は「立ち合いはイメージ通りだったんだけど……」と肩を落とした。
この日の目玉はこの平幕対決。1敗を保って綱とりに挑む大関鶴竜や両横綱は、オマケみたいなものだった。
もちろん、ファンが彼らモンゴル人力士を嫌っているわけではない。ただ、「国技」を謳(うた)いながらもモンゴル人の天下となっている土俵に愛想を尽かしているファンは多い。だからこそ、彼らを蹴散らしてくれる将来性豊かな力士をより応援したくなるのだ。