これが世に言う「キューバしのぎ」
矛盾するのは、これだけ選手を揃えても日本一にはなかなかなれないという点。
■外貨獲得の先兵
自前の選手をコツコツ育て強いチームに仕上げて優勝争いをするチームがいいか? 盛りの過ぎた選手を倉庫に放り込んでとっかえひっかえ使い回して優勝するチームがいいか? わたくしは断然前者が面白い。誰が監督をやろうが満タンの倉庫を使い回せば勝てる。ただし野球の神様は日本一にはさせてくれない。
このジレンマに死ぬまで札びらであらがうのがご高齢の最高幹部なのだ。戦力がずぬけているからといって「切磋琢磨(せっさたくま)して競争に勝って這い上がってきた選手を使う」などと利いたふうなことを吹く監督よ、そりゃ倉庫に入りきれないほど在庫があるから言えることだろう。
セペダいわく、
「日本球界でプレーするのは夢だった」
リップサービスだぞ。キューバが勲章まで授与した名選手だ。「敵対するメジャーリーグで使い捨てられるのは勘弁ならん。しかし……外貨は欲しい。ここはひとまず先兵として東洋の島国に貸そう」が本音ではないか? 特価でセペダを貸し出せば、巨人が食いつき、さらにキューバ選手へ各球団の入れ食いが続く。本当に将来ある選手はメジャーリーグが買い叩いてかっさらう。これが世に言う「キューバしのぎ」の構図と見た。